生命情報科学若手の会

第16回年会

第16回年会は盛況のうちに閉会致しました。

ご参加頂いた皆様、スポンサーのご支援に感謝申し上げます。

お知らせ

概要

日程                2024年 9月 14日(土)~ 16日(月・祝)

会場                ニューウェルシティ湯河原(静岡県熱海市)

代表                金指勇樹(理研IMS 横浜市立大学大学院 医学研究科 医科学専攻)

年会長    新井悠也(筑波大学大学院ヒューマニクス学位プログラム)

                  スタッフ一覧

共催                日本バイオインフォマティクス学会

助成                公益財団法人中辻創智社

  公益財団法人サントリー生命科学財団

参加登録

現在、参加登録を受付中です。参加登録についてのページをご確認の上、下記URLより参加登録をお願い致します。全国津々浦々からのご参加をぜひお待ちしております。

※ 参加登録は締め切りました。多数のご登録ありがとうございました。

【参加登録フォーム】https://forms.gle/AzcMdR8sa7i2f4es5

【参加登録締切】20248/2 (金) (延長しました!)  726日 (金) (登録には発表タイトルと要旨の提出が必要ですのでお早めにご準備ください)

【参加にあたって】


【問い合わせ先】

bioinfowakate_staff@googlegroups.com

※ お問い合わせの際はメール本文に署名と自分のメールアドレスを含めて頂くようお願い致します。

企画内容

(1)ピッチトーク

研究会の始まりに、お互いのことを知りましょう!ピッチトークでは、自分のパーソナリティを1枚のスライドで1分間紹介していただきます!

(2)招待講演

工樂 樹洋 先生

国立遺伝学研究所 ゲノム・進化研究系 分子生命史研究室 教授

総合研究大学院大学 生命科学研究科 遺伝学専攻 教授

講演タイトル

分子進化学でみるゲノム情報―「反モデル」から生物多様性の理解へ

要旨

ヒトや実験生物の研究のためにDNA情報を整備する、という意味においての「ゲノム学」は目的を達成したかもしれない。しかし、生命の設計図がDNA配列にどう納められているのか、そして、その違いがどのように生物の多様性を導いたのか、という問いに答えるにあたっては、私達はまだ入り口に立ったにすぎない。それらの問いに挑むには、種間の多様性を生んだ過程を紐解くための分子進化学の手法に基づいて、生物種の枝分かれの歴史、すなわち、生物種の系統関係と分岐年代を把握したうえで、ゲノム多様化の「プロセス」を理解することが必要である。脊椎動物の場合、ヒトや多くの実験動物のゲノム配列情報が高精度に得られつつあるが、重用されてきた小型で短命な実験動物種のゲノムサイズはえてして小さめであり、それらに囚われた比較では、真の多様性の理解は成しえない。

いわゆる「モデル」に囚われずに視野を広げるにあたり、脊椎動物では、分子レベルの研究の際立つコールドスポットが軟骨魚類であることは明白であった。400年超の寿命という生物学的な魅力のいっぽうで、大型で胎生そして深海棲であるなどの困難には事欠かないが、私の周辺では、軟骨魚類を中心として、ほか円口類や爬虫類などのコールドスポットを補うような努力を続けており、偏りの少ないゲノム情報の比較が実現しつつある。本発表では、水族館など生命を扱う様々な現場との連携の進め方から、推測できつつある数億年スケールのゲノム構造の経時的変化まで、本会ならではの話題を提供したい。


若手へのメッセージ

世界は広く、人生は長い。そして、長い目で見ると、世の中はさほど不公平ではない。華々しく見える事象も、えてしてその裏には不安と苦悩がある。そして、それを切り拓くための拠り所は、論理的な思考と適正な努力である。こういったスタンスで、学術研究活動における競争を、尊い自己表現の場と捉えていきたいと自身はいつも思っている。

鈴木 絢子 先生

東京大学 大学院新領域創成科学研究科 准教授

講演タイトル

大規模オミクス計測技術を肺がん研究へ

要旨

がんは、がん細胞とそれ以外のさまざまな細胞種から構成され、それらが相互に関係しあうことで複雑な微小環境を形成している。また、変異の蓄積や周囲からの影響によりがん細胞自身も多様なオミクスステータスを有しており、その不均一性はがんの治療を困難にする原因の一つである。我々の研究グループでは、ロングリードや空間オミクス解析といった大規模オミクス計測技術を駆使して、あらゆる角度から肺がんの多層オミクスステータスを計測することで、がんの発生・進展メカニズムを明らかにし、新規に層別化する手法を開発することを目指している。本講演では、最近取り組んでいる肺がん進展メカニズム解明に向けた研究について概説しつつ、当該研究に用いたさまざまなオミクス計測技術の詳細について紹介したい。現在の計測技術における限界や、解析に関して我々が抱える課題について共有し、議論を深めたいと考えている。


若手へのメッセージ

大学院の研究テーマで、肺がんの解析を始めさせていただいて、気が付けばそれをずっと続けております。その間に次から次へと新しい計測技術が登場してきました。若手の皆さんがそれぞれのサイエンスを深めるために、これら技術をどう活用していくのか、議論できれば幸いに思います。

(3)ワールドポスター

本研究会のポスター発表は、『ワールドポスター』 という形式で開催いたします。

ワールドポスターとは?

テーブルディスカッション形式でポスター発表をおこなう企画です。

① A3サイズのポスターを持って、6人程度が一つのテーブルに座ります。

② 手元のポスターを使って発表・質疑応答を一人10分程度おこないます。

③ 2人ほど発表が終了したら、テーブルを移動し、次のラウンドを開始します。

これを繰り返します。

(4)NGS (Next Generation Science)

新たに集まるそれぞれの参加者の力を総動員して世紀の難問に挑みましょう!

同じ課題に興味を持つ5~6人でチームを結成し、生物学における未解決課題の解決策を議論します。最終日には、各班が研究提案を行い、優れた発表を行ったグループを「Best NGS Award」として表彰します。


昨年取り組んだ課題はこちら。


今回の課題は、招待講演にてご登壇いただく先生方やコミュニティの方にご提案頂き、下記の6つに決定しました!



ヒトの核型は2n=46であり、DNA情報は20本の染色体ペアに分けて格納されているが、この本数もまた種によって1本から数百本のものまで多様である。遺伝子発現のためのエピゲノム制御や染色体分配メカニズム等も考慮することで理解に近づくことはできないか?


数百・数千検体の全ゲノムデータや、ロングリードや空間オミクスデータといったさまざまなフォーマットの大容量データをどのように保管、転送、解析すればよいか。


がんなどの疾患の治療法を開発するためには、個々の患者に対応したモデル実験系の開発が役立つと考えられる。多層オミクス情報やシングルセル・空間オミクス情報からいかにして重要な情報を抽出し、さまざまな他分野技術と組み合わせて、個々の患者の疾患組織を培養条件下でどこまでスピーディに再現できるか?


バイオ領域におけるWet研究とDry研究の学際的融合は、現代の生命科学研究においてますます重要性を増している。しかしながら、両者の融合はまだ不十分であると考えられる。WetとDryの研究者間のコミュニケーションの強化と、政策および資金調達の支援などの施策が必要と考えられる。学際的な融合を達成するためにはどのような解決策が考えられるだろうか?


若手の会では昨年の日本バイオインフォマティクス学会 (IIBMP)の企画として「若手の会企画:『研究室マネジメント』について話し合おう!」を実施した。その際の若手向けアンケート調査の結果やIIBMP当日の先生方の研究室運営の工夫などの話を共有した上で、(研究室構成員の大半を占める)若手の目線からより良い研究環境を作るヒントを話し合おう!


プログラム

プログラム (正式版)

スポンサー企業

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Contact

お問い合わせはbioinfowakate_staff@googlegroups.comまでお気軽にご連絡ください。なお、メール本文に署名と自分のメールアドレスを含めて頂くようお願い致します。