第8回 セミナー
生命情報科学×生物物理若手交流
開催報告
2023/7/11(火)に生命情報科学若手の会セミナー史上初のコラボ企画である「第8回セミナー 生命情報科学×生物物理若手交流」を開催いたしました。ご講演は38名の方にご参加いただき、懇親会も過去最多となる18名の方にご参加いただきました。ご講演いただいた杉浦さん、新井さん、開催にご協力いただいた生物物理若手の会の幹事の皆様、ご参加くださった皆様、誠にありがとうございました。
弊会スタッフの新井さんからはラボオートメーション、生物物理若手の会の杉浦さんからは新奇酵素ロドプシンに関するご研究の話をしていただきました。生命情報学と生物物理学は一見異なる分野のようにも思えますが、お二人のご講演から分野横断型研究の可能性についても改めて感じることができました。
このようなイベントを継続して開催することによって、異分野への理解を深めるきっかけを提供し、分野間の架け橋となることができれば幸いです。皆様の引き続きのご参加をお待ちしております。
開催趣旨
7月のセミナーでは、初の試みとして生命情報科学と生物物理学の研究に携わる若手の交流を目指し、コラボ企画を行います!
各若手の会の運営に携わる筑波大学の新井さん、名古屋工業大学の杉浦さんをお呼びして、30分ずつご講演いただきます。
また、講演後は若手研究者同士の交流を深められるように1時間の懇親会を企画しております。
生命情報科学・生物物理学の研究を行っている方はもちろん、「どちらかの研究分野に興味がある」という方、「異分野の研究の話を聞くのが好き」という方にも幅広くご参加いただければと思います。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
概要
日程 2023/7/11(火)19:00〜21:00
19:00-19:30 新井さんによるご講演
19:30-20:00 杉浦さんによるご講演
20:00-21:00 参加者間での懇親会
会場 Zoomによるオンライン開催
参加資格/参加費 どなたでも無料でご参加いただけます。
参加登録 https://forms.gle/4VLM16XuD9qLi1yN7
司会 西村瑠佳
主催 生命情報科学若手の会
開催協力 生物物理若手の会
講演タイトル
研究自動化への取り組み
ーあなたの実験、本当に再現できますか?ー
要旨
初めまして。生命情報科学若手の会のスタッフを務めています、筑波大学修士1年の新井悠也です。本セミナーでは、私自身の経験と研究内容に関する取り組みについて紹介します。
[研究内容]
生命科学分野では、実験再現性の問題や、複雑になっていく実験の手技を伝えるための教育・時間コストの増加、求められるデータの量の増加などが大きな問題となっています。そうした問題の解決策として、研究自動化は現代の科学研究においてますます重要な役割を果たしています。研究自動化の重要性は、実験の再現性向上や効率化、データの正確性確保など、さまざまな側面から考えることができます。
私は特に、自動化実験機器を用いて実験を行う現場を仮定して、実験機器のシフト管理を行うスケジューラを作成しています。当日は、この分野の概略と、私の研究内容についてもう少し詳しく紹介させていただきます。
講演タイトル
新奇酵素ロドプシンの光反応メカニズムと応用
要旨
私は、生物物理若手の会の会長を務めております、名古屋工業大学所属の杉浦雅大と申します。
本セミナーでは、光を受容するロドプシンという膜タンパク質に関する研究内容とこれまでの私の経歴・経験を交えてお話しできればと思っております。
[研究内容]
近年では、遺伝子解析技術の飛躍的な発展により、多様な遺伝子情報が手軽に手に入る時代となり、ロドプシン研究分野に多くの恩恵をもたらしています。
一般的なロドプシンは膜に埋まったロドプシンドメインのみで機能を持ちますが、それとは別のドメインを持った酵素ロドプシンと呼ばれる新奇ロドプシンが発見されました。酵素ロドプシンは、細胞内シグナル伝達物質であるcAMPやcGMPといった環状ヌクレオチド分子の濃度を光で制御できることが明らかとなっており、光で生体内活動を制御しようという光遺伝学への応用にも期待がもたれています。
ここでは、直近5年以内に発見された新たな酵素ロドプシンの光反応メカニズムと光遺伝学への応用可能性について発表いたします。
懇親会
講演終了後の20時から21時にzoomのブレイクアウトルームを用いてオンライン懇親会を行います。参加者同士で親睦を深めましょう。
Contact
お問い合わせはbioinfowakate_staff@googlegroups.comまでお気軽にご連絡ください。なお、メール本文に署名と自分のメールアドレスを含めて頂くようお願い致します。